TYPE-MOON作品にハマるきっかけになったのがこのマンガ。昔なにげに買った電撃大王に連載されていたのを読んで面白そうだなあと心のどこかに引っかかっていて、ずいぶんたってからコミックを購入、そして中古で月箱を買ったのがすべての始まり。
で、月姫プレイ後改めて読むことでこのマンガの真価をひしひしと味わった。まず武内さんのイラストに近いながらも個性ある絵柄が良い。アルクがかわいい。シエル先輩がカッコイイ。ポイントをおさえて挿入されるイベント絵の構図、さりげなく散りばめられた立ち絵ポーズ(シエル先輩の「うはー」とか琥珀さんの「めっ!」とか)。しかしそれらはアンソロジーと大差ないファンサービス的な要素にすぎない。まず凄いのはしっかりと「漫画化」している点。独特で難解な設定、複雑な物語をナレーションめいた文字で説明過多になることなく、あくまで絵を主体として表現しているのだ。そして特筆すべきはストーリー。アルクェイドルートを中心としながらも随所に展開される原作とは異なるイベント内容。七夜の刀は有間啓子さんからもらうわ、アルクは公園で17分割されるわ、ビルの外壁つたってネロから逃げるわ、秋葉と志貴の写真は真ん中折りたたんで見えなくしてるわ…些細な事から重要イベントまで挙げればキリがなく、しかもそれらは全く違和感なく、むしろそちらの解釈の方が自然であるとさえ思える。極めつけは3巻から4巻にかけてのシエル先輩と秋葉の壮絶バトル。1話以上にわたる完全オリジナルエピソードは圧巻。月姫の世界と登場人物を芯まで理解し、骨の髄まで愛していなければここまでは描けないだろう。ひとつのマンガ作品として十分すぎるほど楽しめるし、原作ファンも納得・驚愕・感嘆の出来で、月姫好きならこれを読まないと絶対損すると思う。大筋のストーリーは4巻の最後で「ロア」ではなく「シキ」が出てきたことで予測不可能な展開に突入しつつあり、5巻が超待ち遠しい。
- 作者: 佐々木少年,TYPE-MOON
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2004/05/27
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- 作者: 佐々木少年,TYPE-MOON,「真月譚月姫」製作委員会
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