あー、いいなあ。読み終えてまずそんな言葉が漏れた。略して4文字タイトルのマンガは世にあふれてて、最初はそんな中のひとつぐらいにしか思ってなかった。ところがある日ネカフェで読んだらこれが大間違い。いいの。すごくいいの。20年ほど昔にはよく見られたような田舎町を舞台に、神様で中学生のゆりえちゃんが繰り広げる物語。キャラクターがめちゃめちゃ魅力的というわけではなく、ストーリーがめちゃめちゃ斬新で面白いというわけでもない。とにかく、ほんわかなのだ。流れる空気は常にゆるやかで、ほのぼのと、ゆったりと、まったりと、のんびりと。刺激的な描写がはびこり殺伐としたものが多い最近のマンガにおいて、ここまで毒気を全く持たないマンガは稀有な存在ではなかろうか。なだらかに始まり、なだらかに終わった。もう少し読みたかった気もするが、全2巻という長さがこのマンガにはよく合うようにも思う。鳴子ハナハルさんが描くかわいい(そして時々エロい)女の子がたっぷり見られるという点でも非常に価値がある。読むと幸せを分けてもらえる、そんな作品。
- 作者: 鳴子ハナハル,ベサメムーチョ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: コミック
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