現在、ウラポネットは(ほぼ)休止中です。

中の人は主にお城ブログをちまちまと更新しています。

宙のまにまに 5巻

※注:高校大学大学院と天文系クラブ・サークル(おまけに大学では地質学専攻)だった俺がこの天文部マンガを語る時は異様に熱が入るのであしからず
高見女子との合同冬合宿を終えて季節は新たな春・新歓時期到来。なんだかんだで新入部員は真性「ちがっきー(地学マニア)」女子・日佐壁笑と子犬系美少年・藤村はるきの2人。どうにか頭数を確保して部は存続したものの、低予算で未だ望遠鏡すら買えない有様…ならバイトして買っちゃえ!ってことで全員で働いて念願の望遠鏡ゲットだぜ、そして都合よく接近してきた肉眼彗星の観測へレッツラゴー。4巻でわりと全開だった朔ちゃん周辺の恋愛模様は今回ナリをひそめ、代わりにラブーな部分を担当したのが病弱部長とデキる一重美人・近江さん。うーむ、こういうタイプの女子に愛される男は幸せかもしれんが、俺なら自分のダメっぷりに凹むかも。でも天文カップルいいなーうらやましいなー。しかしオマケマンガで明らかになった部長の名前、路万「健康(たけやす)」って。名は体を表してなさすぎ。そういえば、このマンガでは貴重な女子だらけの温泉サービスカットもあるでよ。ポロリはないけど。カバー下でやってた星座解説は4巻までで春夏秋冬ひとめぐりしてもう南天しか残ってないなーと思ってたら本当に南天紹介しててやられた。でも次のネタがいよいよヤバイよね…。
星や機材等の知識面だけならちょっと調べれば誰でも知ることはできる。でも、実際の天文部の活動をここまで詳細にリアルに描くのはちょっとやそっとじゃ到底できないはず。合宿明けの温泉、カノープスの扱い、高価な機材に悩む様、高天ネット(※他校の天文部とのネットワーク)による横のつながり、郊外の観測スポットの描写…。もし作者が天文経験者でないというのなら、その取材力にはただただ恐れ入る。地学部エピソードもなー、俺の高校では名称は地学部だったけど実質天文部だったからわかるわー。あーでも化石採集とか行ったような記憶も。あと美星のかぶってた星の着ぐるみ…ほぼ同じものを大学のサークルでも作ってたし。とにかくもう、大小のネタがいちいち現役当時の思い出とリンクして泣きそうになる。程度こそ違えど、全国の天文男女が俺と似たような感傷を抱くはず。
殺伐としたマンガに食傷気味の貴方にオススメのほんわか系青春文化部コメディ。そして、天文経験者にとってのバイブル。星に興味なんて全くない人にこそ読んでみてほしい。そしてほんの少しでも天文に興味を抱いてもらえたら。あの初めて土星を望遠鏡で見た時の衝撃と興奮を、一人でも多くの人と共有できたなら。そんな期待をしてしまうほどの魅力とパワーが、この作品には確かにあるから。

宙のまにまに(5) (アフタヌーンKC)

宙のまにまに(5) (アフタヌーンKC)