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真月譚 月姫 5巻

待った甲斐があった。2006年8月26日以来11ヶ月ぶりの単行本は、期待以上に素晴らしかった。
物語はゲームでいうと折り返し地点を過ぎたあたりかな。少しずつ核心に迫りつつあるけれど、謎はまだほとんど何も明かされていないという状態。遠野家方面でしばらく進むのかと思いきゃ後半はずっとアルクェイドのターン。奈須さんの帯コメントにもあるようにこの巻のアルクの可愛さは異常であり殺人的。ああ、もう、たまらん。表紙もアルクだしカラー扉ページはシャツだけアルクだしもはや特集号だなこりゃ。
言い方が悪いけど、佐々木さんの絵は決してうまい方ではないと思う。時々えらくデッサンが狂ってるようなコマもあるし。でも他のTYPE-MOONオフィシャルコミック(Fateメルブラ)に比べると最も武内絵に近いタッチ(意図的に似せているのかも)でとっつきやすいし、人物のとても良い表情を描くし、画力は巻を重ねるごとに確実にレベルアップしてるし、なにより女性キャラの顔がきゃわいいので万事OK。特にアルクェイドには格別気合いが入ってるように感じる。佐々木アルクの巨乳っぷりは殺人的。ここぞという場面でゲームのイベントCGと同じ構図を使う演出がまた絶妙。同じ構図でも違う使い方したり…例えば今回アルクが志貴におおいかぶさる場面は公園じゃなくてベッドだったり。あと子供四季はこれが初出じゃないかな。
佐々木版月姫で特筆すべきはストーリー構成。ちょっとした変更(5巻でいえば電車に乗って遊園地でデートとか)から大胆なアレンジ、そしてオリジナルエピソードの挿入と様々に手を加えながら、それが原作のファンから見ても何ら違和感なく月姫の世界に溶け込み、よりいっそう彩りをもたらしてくれているのが驚く。よほど深く月姫の背景設定や作品世界を理解していなければ簡単に出来ることではないと思う。あくまで月姫という枠内にありながら、今までにない月姫。それは作詞作曲TYPE-MOON、編曲佐々木少年といったところか。
アルクェイドと行動を共にしながら志貴の前に現れたのは「ロア」ではなく「四季」。なまじ原作をプレイしているだけに、佳境に入るも全く予想がつかない展開。旬なんて過ぎまくってるにもかかわらずじっくりと連載を続けてくれている佐々木少年さんに感謝し、掲載してくれている電撃大王に感謝し、全面バックアップしてくれてるTYPE-MOONに感謝しつつ、あと月姫のリメイクor続編に淡い希望を抱きつつ、気長に6巻を待ちたい。佐々木さんが奏でる、よく知っていながらまだ誰も知らない月姫の旋律がどうか本人の納得いく形で最後まで流れますように。
とらのあなでの購入特典はコミックカバーと同じ絵のB5カラーイラスト(じょうぶな厚紙製)と、モノクロイラストしおりランダム6種からひとつ(選べず・僕が当たったのは秋葉)。

真月譚 月姫(5) (電撃コミックス)

真月譚 月姫(5) (電撃コミックス)