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GUNSLINGER GIRL 10巻 with Libretto!


ガンスリの舞台であるイタリアのあれやこれやをカラー絵で紹介したハードカバー小冊子「Libretto!」。通常版には付いてない。


必死に生きて、そして死のう―
居場所を失った人間が集まる公社。人生を失った少女から作り出された義体。運命は残酷で、決意は悲壮。始まりの瞬間から閉塞的で、救いはなく、どこまでも悲しく重苦しい物語。そんな凄絶さがあまりにも静かに、淡々と、粛々と描かれる。それが俺が感じたGUNSLINGER GIRLという作品。掲載誌や絵柄から受ける印象だけで軽い気持ちで手を出すのは決してオススメしないマンガ。
2期生・ペトラの加入で少し空気が変わったものの、それは些細な変化に過ぎず。9巻でのアンジェリカの死を皮切りに訪れた「終わりの始まり」。10巻表紙を見てもしや今度はトリエラが…と思ったがひとますそうではなくて安心。けれど10巻がほとんどずっとトリエラのターンであることは間違いなく。自らの「生い立ち」を知り、ヒルシャーに(おそらく)睡眠薬を飲ませて姿を消そうとして、それでも振り切れずに戻ってヒルシャーに抱きつき「必死に生きて、そして死のう」…もうね、トトトトリエラァァァ!(号泣) この時、トリエラのヒルシャーへの想いは恋だの愛だのを超えた「絆」になったんじゃないかな。この作者はたまーに絵が乱れるっつーか、表紙絵とかイマイチな時があるんだけど、10巻表紙は今まででベストじゃないかと思える出来だし場面的にも10巻表紙にふさわしいよね。本編の絵もさすがに安定してるし特にトリエラはどのコマも超かわいかったー。そういえば10巻でまさかの再登場に驚いたのが脇役1期生義体ベアトリーチェ。俺はこの娘好きなんだけどなー、もう活躍とかないままなんだろうなー。あと9巻に出てきた2期生3人はまさかあれで出番終わりなのかしらん。
去年のクリスマスの出来事が思い出せなくなったヘンリエッタ。ついに突き止めたクローチェ事件の主犯。その寿命を迎える義体1期生たち。果たされようとしている「復讐」。定められていた終幕が近づく物語。その先に希望はなく、幸福はない。きっと、奇跡は起こらない。それでも、いや、だからこそ見届けたい。この作品の結末を。何処へ向かい、何を伝えようとしているのかを。
未来のない「今」を生きる少女たちは、ただ、美しい。

GUNSLINGER GIRL 10 with Libretto! (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 10 with Libretto! (電撃コミックス)