神のみぞ知るセカイ 4巻

とらのあな特典イラストカード。うごうごエルシィ。

いやいや驚いた。4巻の攻略対象はエルシィの隣の席でいつも雑誌読んでたクラスメイトその1・小坂ちひろ。当初名もないその他大勢でありモブキャラだった彼女がまさかのメインヒロイン抜擢。パラメータはどれも中途半端、これといった特徴なし、見た目も地味、桂馬の言うとおりギャルゲじゃボイスすら付かない背景キャラとして処理されて当然なのだから実に予想外だったわ。まさにその普通・没個性であるところをテーマに、最初に攻略した陸上女子・歩美が友人として再登場してみたり、ちひろの告白を手伝うという方向でルートが進行したりと一味違った展開。決め台詞「見えたぞ…エンディングが！」はなかったけど久々に名言出たし。桂馬がギャルゲ主人公キャラではなく素の自分で接してたのも今回のポイントだったな。この話によってこの作品にさらなる深みが増したというか幅が広がったというか。ちひろルートはやって正解だと思った。ホントビジュアル地味だけどなーこの子。いや、その華の無さがまた良かったんだけど。不条理で理不尽な現実（リアル）でもがく彼女らに触れて、落とし神・桂馬は何を思うのか。
1話完結モノとしてはハクア再登場早杉・ギャルゲおつかいエルシィ・桂馬ママとデート・ギャルゲ業界を牽引するサイト「落とし神」の4つを収録。33話は…ギャルゲのアニメ化ってのは特に最近多いからなー、ゲームとDVDってそんな値段も極端に違わないし、並べて売ってる場合だってあるし、うっかりしてるとオタでも間違えかねないわけで、エルシィのこと笑えないよねー。35話は…うーん、ここまで絶大な影響力を持つサイトっつーのは実際無いかもしれんが、インターネットの評判も無視できない時代ではある、かも。あと攻略サイト作る人たちはマジネ申。いつもお世話になってます。そんでもって27話と34話は…桂馬女性キャラ全員にフラグ立て杉。実母までって…リアルでも落とし神かよ。つーか桂馬のオカンかわいいんですけどちょっとヤバイであれは。
そして次なる攻略対象は…きました、教育実習生。エロマンガではしょっちゅう見かける定番だが、ギャルゲ・エロゲでは先生の卵とのラブロマンスはあまり記憶にないどころか先生の立ち絵があるゲームすらあんましないような気がするのは俺のギャルゲ経験値が低いだけかしら。ともかく、このプロレス好きなちょっとヘンでなにかワケアリそうな長瀬先生をどう落とすのか、それは次巻のお楽しみ。
巻末にハクアとちひろのスペック＆作者解説＆おまけ四コマを収録。カバー下には桂馬たちが住む舞島市と隣町・鳴沢市のMAPと各市の紹介があり、単行本の追加要素も充実してるのは嬉しい読者サービス。本筋よし、短編もよし、まだまだ飽きさせないネ申であった。

神のみぞ知るセカイ 4 (少年サンデーコミックス)