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GUNSLINGER GIRL 12巻

ああ…息が詰まる。
11巻が後半からクローチェ家の回想、しかも幸福な時間を描いたものだったから、そして12巻にその「続き」が描かれていると分かっていたから…続きを待ちわびていたけれど、買ってからもなかなか表紙をめくれなかった。こんなにも好きなのに、これほどまでに読むのをためらうマンガというのもそうそうないよなあ。
というわけで、12巻のほとんどを使って描かれるクローチェ事件の発端とその結末。作中で既に語られていたのだが、こうして改めて詳細に描かれると、きつい。しかもエンリカは激萌えJCだし、ソフィアさんめちゃいい女だし…そんでもってエンリカがソフィアに謝ろうとした瞬間に惨劇とか…マジきっつい。なんてこった。時間軸が現在に戻り、ヘンリエッタの変調に直面した夜、エンリカの亡霊…いや、自らが生みだしたエンリカの幻影に「ジャコモを殺して」と責められ迫られるジョゼ。そして、1年前にした星の話を少しも覚えていないヘンリエッタに大量投薬での精神安定(=寿命の劇的な短縮)を選択するジョゼ。分かっていたけど、最初から分かりきっていたんだけど、本当にクローチェ兄弟にも義体にも救いが無い。空気は果てしなく暗鬱として澱み、運命はどこまでも無慈悲で残酷。悲しみが、辛さが、静かに静かに深く深く、腹の底に溜まっていくような、そんな読後感。この陰惨さ、凄絶さはどれだけ絶頂にあるテンションをも奈落の底へ瞬時に突き落としてしまうだけの劇薬なんだけど、それでも俺はこのマンガが好きなんだな。
あと11巻にもあった巻末のイタリアあれこれ解説コーナーは非常に勉強になるのでありがたい。

GUNSLINGER GIRL 12 (電撃コミックス)

GUNSLINGER GIRL 12 (電撃コミックス)