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交響詩篇エウレカセブン

ようやく全巻揃えた。ロボットものという印象が強かったエウレカセブンだけど、マンガでは独特の世界設定や戦闘シーンはそこそこに、人間に大きくスポットを当てて物語が展開されている。平和で退屈な日常の繰り返しから突如として訪れたエウレカとの出会い、月光号という大きな「波」に乗り刺激的な冒険に足を踏み入れたレントンは、それが定められていた「道」であることを知ってしまい、否応なしに戦いに巻き込まれていく。やがて明らかになるエウレカの「正体」、世界の「仕組み」。3巻終わりのスカブに覆われたエウレカの姿は非常に衝撃的。5巻のアネモネとドミニクのやりとり、そしてデューイとホランドのやりとりにこのマンガの真骨頂を見た気がする。感情が愛情がある故に不完全、でもそのおかげで人は人でいられるのかもしれない、とか、どんなに正義や信念をかざそうが戦争は単なる殺し合いでしかない、とか、いろいろ考えさせられる。そして最終巻、得た物と、失った物と。「我々の進化の答えは…?」というコーラリアンの疑問は、人間という生命体の自らへの問いかけのようにも聞こえて。アニメを見ていないのでどこがどう違うとかよく分からないけれど、エウレカセブンというプロジェクトの枠にとらわれず、バックボーンの解説を大胆に省略してまで物語とそこに秘めた想いを描ききったという感じが、片岡人生近藤一馬両氏の気迫が、ヒシヒシと伝わってきた。ひとつのマンガ作品として猛烈におすすめしたい傑作。
これは是非アニメも見ておかないとなあ。