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Fate/strange fake


成田良悟氏によるTYPE-MOONエース2号の別冊付録小説。もともとは氏のHPでのエイプリルフール企画。冬木市より遠く離れたアメリカのとある地で幕を開ける聖杯戦争の贋作(フェイク)。イレギュラーだらけのマスターにサーヴァント。登場するたびその意外さと例外っぷりに驚かされ、ついに全員が揃い、このメンツで一体どんなバトルが繰り広げられるのかとワクワクしながらページをめくったところで物語終了。そう、この小説はでっちあげFate外伝のプロローグというコンセプトだったのだ。やられた…確かに次々とキャラ出てくるけど残りページはどんどん減ってくし、収拾つくのかなーという不安はあったが、まさか投げっぱなしとは。まあでもこんだけ風呂敷広げといて完結させようと思ったらこの厚みじゃ済まないよな。なにしろこのプロローグ部分だけで170頁もあるんだから。いやいや、それにしてもこれはこれで十分すぎるくらい面白かったよ。切り裂きジャックバーサーカーなのに理性保ってるわ、極めつけは「災厄」ペストまでサーヴァントとして召喚してしまうわで超やりたい放題だけど、そのハチャメチャ具合もギリギリ型月世界の枠内での暴挙という成田良悟氏の絶妙なハンドリングと、これだけのフリーダム設定すら許容してしまう奈須きのこ氏が生み出した世界の寛容さあってこそ。他にもギル様とエルキドゥが揃って召喚されるとかメチャ熱い展開だし、アサシン子激萌えだし、ウェイb…エルメロイ二世も激萌えだし、見所満載の曲者Fate二次創作小説。
ちなみにTYPE-MOONエース2号本誌で面白かった記事はFate/unlimited codes制作秘話。これを読むまでまさか武内さん以外にもCG描いてる人がいるなんて夢にも思わなかったから超びっくりした。確かに武内絵というのはシンプルな描線だし真似しやすいし同人作品も多いんだけど、この日暮氏の寸分違わぬ再現っぷりはそういうのとは別次元。文中にもあったが、確かにここまでくると投影魔術レベルだわ。やろうと思ってできるこっちゃないよなー。いやホントこれはすごいわ。